標準偏差計算機
データを貼り付けるだけで、標本標準偏差と母標準偏差、その裏にある分散、平均、そして平方和を組み立てる計算の手順まで表示します。
値はカンマ、スペース、改行のいずれかで区切ってください。小数点はピリオドです。
標本標準偏差(s)
5.23723
標本分散(s²): 27.4286
母標準偏差(σ)
4.89898
平均(x̄)
18
データの個数(n)
8
これらの数値を標本として計算しています。Excelでの同じ値:STDEV.S。
次の入力は数値ではないため除外しました:
標本標準偏差には少なくとも2つの値が必要です。値が1つのときは、母集団の統計量だけが求まります。
数値を1つ以上入力するか貼り付けると、統計量が表示されます。
このデータセットから求まるすべての統計量
標本分散(s²)
27.4286
母分散(σ²)
24
平方和(SS)
192
合計
144
中央値
18.5
最小値
10
最大値
23
範囲
13
平均値の標準誤差
1.85164
変動係数
29.1%
計算の手順:平方和を組み立てる
| 値(xᵢ) | xᵢ − x̄ | (xᵢ − x̄)² |
|---|---|---|
| 10 | -8 | 64 |
| 12 | -6 | 36 |
| 23 | +5 | 25 |
| 23 | +5 | 25 |
| 16 | -2 | 4 |
| 23 | +5 | 25 |
| 21 | +3 | 9 |
| 16 | -2 | 4 |
| 合計 | 0 | 192 |
除数は7なので、標本分散(s²) = 192 ÷ 7 = 27.4286。標準偏差はその平方根で5.23723です。
標準偏差計算機。貼り付けたデータから標本標準偏差sと母標準偏差σを求めます。
標準偏差計算機は、データの1つ1つが平均からどれくらい離れているかを、元のデータと同じ単位で示します。数値を入れて標本か母集団かを選ぶと、その値と分散、平均、そして偏差を1つずつ足し上げた平方和までが同時に出ます。
標準偏差とは?ばらつきを元のデータと同じ単位で表した値
標準偏差とは、データの1つ1つが平均からどれくらい離れているかを表す、いわば平均的な距離です。分散の正の平方根で、平方根をとるからこそ読める数字になります。NIST/SEMATECHのe-Handbook(1.3.5.6節「Measures of Scale」)は、分散が単位を2乗してしまうのに対し、標準偏差はばらつきの単位を元のデータの単位に戻すと説明しています。平均体重70kg、標準偏差8kgの集団は、ふつうの人が70kgから8kgほど離れている集団です。62kgの人もいれば78kgの人もいる、という状態です。その裏にある分散64kg²は同じ情報を、だれも頭に浮かべられない単位で持っています。
このページは何も入力しない状態で8個の値を読み込んでいます。10, 12, 23, 23, 16, 23, 21, 16 の8個です。合計は144なので平均は18。各値と18の差を2乗して足し上げると192になり、これが平方和(SS)です。192を7で割ると標本分散27.4286、その平方根が標本標準偏差5.23723。同じ192を8で割ると母分散24、平方根は母標準偏差4.89898です。画面では標本標準偏差5.23723が先頭のカードに出て、そのすぐ下に標本分散27.4286が添えられ、隣のカードに母標準偏差4.89898、続いて平均18、データの個数8が並びます。
単位が元に戻るという性質は、数字の書き方にそのまま効きます。得点のデータなら標準偏差は「点」、売上なら「円」、身長なら「cm」で、平均と並べて書けます。上の8個が小テストの得点なら標準偏差は5.23723点で、報告に載せるときは測定の精度に合わせて丸め、「18点±5.2点」と書けます。分散のほうは27.4286点²です。点²という単位は答案にも報告書にも出てきません。分散が要るのは計算の途中と、ばらつきを足し合わせる場面です。
2つのデータのばらつきを比べるときには気をつけることがあります。標準偏差は元の単位を持っているので、単位や平均の違う2つを数字の大小だけで比べられません。売上の標準偏差1万円と得点の標準偏差10点を並べても意味がありません。そこで使うのが変動係数で、標準偏差を平均で割った割合です。上の8個では29.1%で、統計量の一覧の最後に出ています。この値は標本標準偏差を平均で割ったものなので、標本と母集団のボタンを切り替えても動きません。
「平均±標準偏差の中に約68%が入る」という68-95-99.7則は、データが正規分布に従うときの経験則です。上の8個で確かめると、18±4.89898の範囲、つまりおよそ13.10〜22.90に入るのは16, 21, 16の3個だけで、8個中の37.5%にとどまります。8個という少なさと、23が3回出ている形のせいです。割合の話をする前に、そのデータが釣鐘型かどうかを見る必要があります。
どんなデータでも成り立つ関係が1つあります。標本標準偏差は母標準偏差より必ず大きいか等しくなる、という関係です。小さい数で割るほうが商は大きくなるからです。例外はすべての値が同じで2個以上あるときで、平方和が0になるためどちらも0になります。
標準偏差の求め方:手計算の5ステップ
求め方は5つの手順に分かれます。ページの表がそのうち2番から4番を1行ずつ並べているので、答案やノートにそのまま写せます。ここでは最初に読み込まれている8個の値で進めます。
1. 平均を出します。10 + 12 + 23 + 23 + 16 + 23 + 21 + 16 = 144 で、144 ÷ 8 = 18 です。
2. 各値から平均を引きます。−8, −6, +5, +5, −2, +5, +3, −2 になります。次に進む前にこの列を足してください。−8 − 6 + 5 + 5 − 2 + 5 + 3 − 2 = 0 です。正しい平均からの偏差は必ず打ち消し合うので、この列をそのまま平均することはできません。0にならなければ平均が間違っています。
3. 偏差を2乗します。64, 36, 25, 25, 4, 25, 9, 4 です。
4. 2乗した値を足します。192です。これが平方和で、ページの表の「合計」の行に出る数字です。
5. 除数で割って平方根をとります。標本なら 192 ÷ 7 = 27.4286 で、√27.4286 = 5.23723。母集団なら 192 ÷ 8 = 24 で、√24 = 4.89898 です。
結果の下にある「計算の手順:平方和を組み立てる」は開閉できる表で、列は「値(xᵢ)」「xᵢ − x̄」「(xᵢ − x̄)²」の3つ、最後の「合計」の行に192が入ります。表の下の説明文は最後の手順を言葉で書き出します。標本のままなら「除数は7なので、標本分散(s²) = 192 ÷ 7 = 27.4286。標準偏差はその平方根で5.23723です。」と出ます。値が多いときは最初の30行だけを並べ、何個のうち何個を表示しているかを同じ場所に書きます。「合計」の行はいつでも全部の値を含むので、平方和が途中までになることはありません。
標準偏差の公式と、2つの除数
- = 標本標準偏差。先頭のカードに出る値で、単位は元のデータと同じ
- = 母標準偏差。同じ計算を、除数をnにして行ったもの
- = データのi番目の値
- = 平均。値の合計を個数で割ったもの
- = データの個数
- = 続く式を値の数だけ足し合わせる記号
母集団の式は除数だけが違います。
どちらも同じ量から始まります。平方和です。
上の8個ではSSが192です。これを割ると分散になり、標本の除数7なら 192 ÷ 7 = 27.4286、母集団の除数8なら 192 ÷ 8 = 24。標準偏差はその分散の平方根で、5.23723か4.89898です。割ったところで手が止まると、答えは分散のままになります。分散はもっともらしい見た目の数字で、単位だけが2乗になっています。
標本の式の n − 1 はベッセルの補正です。引いている平均が、その標本自身から出てきた平均だからこの1が要ります。マイクロソフトの日本語ドキュメントは、この除数に対応する表計算関数について「標準偏差は、n-1 法を使って計算されます」と書き、「指定する数値が母集団全体である場合」はSTDEV.Pを使うようにと案内しています。除数を選ぶ理由をもう少し追いたいときは、同じ数字を2乗した単位で扱う分散計算機のほうに置いてあります。
標本(n − 1)と母集団(n):何が変わるか
| 読む値 | 標本(n − 1) | 母集団(n) |
|---|---|---|
| 平方和192を割る除数(n = 8) | 7 | 8 |
| この8個の分散 | 27.4286 | 24 |
| 同じ8個の標準偏差 | 5.23723 | 4.89898 |
| ExcelとGoogleスプレッドシートの関数 | STDEV.S | STDEV.P |
| 古いExcelの関数名(互換用に残されたもの) | STDEV | STDEVP |
| 選ぶ目安 | 手元の数値がもっと大きな集団の一部 | 手元の数値がその集団のすべて |
| 偏差値を出すときに選ぶ場面 | 一部の受験者の得点しかないとき | 受験者全員の得点がそろっているとき |
| 値が1つ(n = 1)のとき | 求まらない | 0 |
偏差値・実験・品質のばらつき:標準偏差を使う場面
日本でこの値を探す理由として多いのが偏差値です。個別指導塾WAMの解説は式を「(個人の得点-平均点)÷ 標準偏差 × 10 + 50 = 偏差値」と書き、標準偏差を出すには受験者全員分の得点情報が必要だと明記しています。記号で書くとこうなります。
Tが偏差値、xが自分の得点、μが平均、σが標準偏差です。このページは偏差値そのものを表示しません。出るのは式に入れる2つの数字、平均とσのほうです。上の8個を8人の小テストの得点として読むと、平均18、母標準偏差4.89898なので、23点だった人の偏差値は 50 + 10 ×(23 − 18)÷ 4.89898 = 約60.2、10点だった人は約33.7になります。
この式のσをどちらの除数で出すかで答えが動きます。同じ8個を標本標準偏差5.23723で計算すると、23点の偏差値は約59.5で、0.7ポイント下がります。受験者全員の得点がそろっているなら、その8人が集団そのものなので母集団(n)のほうです。日経BPのExcel解説記事も、偏差値の算出にはAVERAGE関数と母集団の標準偏差を返すSTDEV.P関数を使うと書いています。
手元に全員の得点がない場面が実際には多く、その代わりに使われている方法が2つあります。WAMは標準偏差がわからないときの簡易式として「50 +(自分の得点-平均点)÷ 2」を挙げ、あくまでも目安だと断っています。偏差値計算サイト(school-plus.org)は「標準偏差なし」「おすすめ」というモードを持ち、おすすめでは満点から標準偏差を推定します(100点満点なら標準偏差15)。どちらも得点の一覧からσを出しているわけではありません。クラス全員の点数が手元にあるなら、この2の割り算や15という置き方に頼る必要はなく、その一覧を貼り付ければσが確定します。
受験以外では、同じ計算が測定のばらつきを表す道具になります。実験を5回繰り返したときの読み取り値、製造ラインの寸法、毎日の来客数はどれも平均だけでは足りません。σが小さければ次の1回も平均の近くに来ると見込めますし、大きければ1回の測定で結論を出すのは危ういという判断になります。平均そのものの精度を言いたいときに使うのは標準偏差ではなく平均値の標準誤差で、これは統計量の一覧に別の値として出ています。単位や平均が違うデータを横に並べたいときは変動係数です。
計算例:既定の8個から確かめる
既定の8個を標本として読む
データ 10, 12, 23, 23, 16, 23, 21, 16 を標本(n − 1)のまま計算すると、先頭のカードに標本標準偏差5.23723が出て、そのすぐ下に標本分散27.4286が添えられ、隣に母標準偏差4.89898が並びます。平均は18、データの個数は8です。カードのすぐ下に1行だけ文章が出て、「これらの数値を標本として計算しています。Excelでの同じ値:STDEV.S。」と、いまどちらの除数で計算しているかとExcelの関数名を示します。その下の「このデータセットから求まるすべての統計量」には10個のタイルが並びます。標本分散27.4286、母分散24、平方和192、合計144、中央値18.5、最小値10、最大値23、範囲13、平均値の標準誤差1.85164、変動係数29.1%です。
同じ8個を母集団として読み替える
「母集団(n)」のボタンを押すと、カードの中身が入れ替わります。先頭が母標準偏差4.89898になり、その下の添え書きが母分散24に変わって、5.23723が隣のカードへ移ります。下の1行はSTDEV.Pを指すようになります。統計量の一覧は1つも動きません。平均、平方和、中央値、範囲、標準誤差、変動係数はどれも除数に左右されないからです。動くのは表の下の説明文で、192 ÷ 7 = 27.4286 が 192 ÷ 8 = 24 に書き替わります。自分の手元のnで n − 1 の効き方を見るのがいちばん早いのがこの切り替えで、ここでは標準偏差が約6.9%変わります。
小数を含む実験値5個
2.5, 3.1, 4.8, 5.2, 6.0 を貼り付けると、標本標準偏差は1.46867、その下に標本分散2.157、隣のカードに母標準偏差1.31362が出ます。平均は4.32、個数は5です。残りは母分散1.7256、平方和8.628、合計21.6、中央値4.8、最小値2.5、最大値6、範囲3.5、平均値の標準誤差0.65681、変動係数34%。この34%を上の8個の29.1%と並べると、5回の読み取りのほうが自分の平均に対しては散らばっているとわかります。標準偏差の生の数字は1.46867と5.23723で、大小が逆になっているところがこの比べ方の要点です。
「平均±標準偏差」に何個入るか数える
68-95-99.7則を既定の8個で確かめると、この経験則が何を前提にしているかが見えます。平均は18、母標準偏差は4.89898、標本標準偏差は5.23723です。
| 範囲 | 入る値 | 割合 |
|---|---|---|
| 平均±母標準偏差(およそ13.10〜22.90) | 16, 21, 16 の3個 | 37.5% |
| 平均±標本標準偏差(およそ12.76〜23.24) | 上の3個に23が3個加わって6個 | 75% |
| 平均±2倍の母標準偏差(およそ8.20〜27.80) | 8個すべて | 100% |
どの行も68%や95%からずれています。値が8個しかなく、23が3回出ている形なので、正規分布を前提にした割合は当てはまりません。1行目と2行目の違いも見どころで、除数をnからn − 1に替えるだけで上限が22.899から23.237に動き、23が3個まとめて範囲の中に入ります。1σの中に何%が入るかを語る前に、値の並びそのものを見ることに意味があるのはこのためです。
NISTが公開している検証用データ NumAcc1
NISTは要約統計量の検証用に9つのデータセットを、認証済みの値つきで公開しています。いちばん小さいのがNumAcc1で、10000001, 10000003, 10000002 という3つの整数です。認証値は平均がちょうど10000002、標本標準偏差がちょうど1です。小数点の設定を「1.5」にしてカンマで区切るようにしたまま貼り付けると、平均のカードは10,000,002、標本標準偏差は1、母標準偏差は0.816497、平方和は2、個数は3と出ます。この手のデータの意図は、計算そのものは易しいのに浮動小数点の挙動は易しくない、という点にあります。上位7桁が同じ数字を引き算すると、残る情報がほとんどありません。
データの貼り付け方:区切り文字、小数点、読めなかった値
「データセット」は1つの入力欄で、表計算ソフトの列をまとめて受け取ります。上限は5,000文字で、これは数百個の数字が入る量です。改行も区切りとして扱うので、ExcelやGoogleスプレッドシート、CSVから列をそのままコピーしても、並べ替える必要はありません。欄の下には「値はカンマ、スペース、改行のいずれかで区切ってください。小数点はピリオドです。」という案内が出ています。
入力欄の下には、ボタンの組が2つあります。ひとつは「標本(n − 1)」と「母集団(n)」で、どちらの値を先頭のカードにするか、そしてどのExcel関数の名前を出すかが変わります。もうひとつは「1.5」と「1,5」で、カンマの意味が変わります。
1. 「1.5」を選んでいるとき、区切りになるのはスペース、改行、タブ、セミコロン、そしてカンマです。桁区切りは認識しないので、1,234.5 は1と234.5の2つの値として読まれます。貼り付けたあとに「データの個数(n)」のカードを見る価値があるのはこのためです。
2. 「1,5」を選ぶと、カンマは小数点になり、区切りをやめます。区切るのはスペース、改行、タブ、セミコロンで、ピリオドは桁区切りとして扱われるので 1.234,5 は1234.5という1つの値です。1,5 2,7 3,1 を貼ると、このモードでは3個、「1.5」のモードでは6個になります。日本語の環境では小数点がピリオドなので、このページは「1.5」で開きます。
マイナスの符号と指数表記はどちらも生き残ります。数字の前のマイナスはそのまま扱われ、1.5e3 は1500として読まれます。数値でないものは脇に置かれます。読めなかった入力は結果の下に「次の入力は数値ではないため除外しました:」という行で名前が挙がり、多いときは最初の5つだけを並べます。たとえば 10, abc, 12, , 16 を貼ると、集計されるのは10, 12, 16の3個で、abcが除外された値として画面に出ます。空欄は静かに読み飛ばされます。見出し行や「n/a」のセルが混ざったときも、そのセルだけが外れて名前が画面に出るので、データ全体が捨てられることも、平均が裏で動くこともありません。
答えが変わってしまう取り違え
- 分散のまま提出する。 192 ÷ 7 = 27.4286 は分散で、標準偏差はその平方根の5.23723です。平方和を割るのは最後から2番目の手順で、平方根をとるのが最後の手順です。欲しかった数字の2乗になっていて、単位もデータの2乗になっている値が出てきたときは、ほぼこの取り違えです。
- 偏差をそのまま平均する。 平均からの生の差は打ち消し合うようにできています。−8 − 6 + 5 + 5 − 2 + 5 + 3 − 2 = 0 です。平均するのは2乗したほうで、だからこそ答えが2乗の単位で出てきて、平方根が必要になります。
- 標本か母集団かを習慣で選ぶ。 母集団の式が正確なのは、欄の中の数字がその集団のすべてであるときだけです。一部なら、ばらつきを小さく見せます。同じ8個で4.89898と5.23723の差です。判断の基準は1つで、だれかがもっと同じものを測れるなら、手元にあるのは標本です。マイクロソフトの説明も、母集団全体を持っている人だけをSTDEV.Pに案内しています。
- 偏差値を標本標準偏差で計算する。 受験者全員の得点がそろっているなら、その集団は母集団です。既定の8個で23点の偏差値を出すと、母標準偏差4.89898では約60.2、標本標準偏差5.23723では約59.5になり、0.7ポイントずれます。日経BPのExcel解説記事も、偏差値の算出には母集団の標準偏差を返すSTDEV.P関数を使うと書いています。
- 桁区切りの入った数字を「1.5」のモードで貼る。 1,234.5 は1と234.5の2つになるので、nが増えて平均が崩れます。何よりも先に「データの個数(n)」のカードを想定していた行数と見比べるか、小数点のボタンを切り替えてピリオドに桁区切りの役をさせてください。
- 平均値の標準誤差を標準偏差として報告する。 既定の8個では1.85164と5.23723です。標準誤差は平均がどれくらい正確に決まっているかを表し、標準偏差は1つ1つの値がどれくらい散らばっているかを表します。入れ替えると、データが実際の2.8倍ほど整っているように見えます。
- 途中で丸める。 偏差を小数第2位で丸めると、その誤差が2乗と割り算を通って積み上がります。このページは小数第2位ではなく有効数字6桁で数字を出すので、丸めるのは最後の1回、測定の精度が許す桁で済みます。
説明できる数字にするために
- 「データの個数(n)」のカードを最初に読む。 貼り付けが思ったとおりに解釈されたかを確かめる、いちばん速い方法です。行数より多ければ、小数点にしたかったカンマが区切りとして働いています。少なければ、値がくっついています。残りの答えは、除外された入力を名前で挙げる行が持っています。
- 表の中央の列を足す。 「xᵢ − x̄」の列は合計が0になります(既定のデータなら −8 − 6 + 5 + 5 − 2 + 5 + 3 − 2 = 0)。手順全体でただ1つの自己点検で、間違った平均が2乗に伝わる前に捕まえられます。
- 標準偏差を平均から切り離して書かない。 5.23723は平均18の隣では大きな数字ですが、平均1,800の隣ではほとんど誤差です。「18 ± 5.2」のように対で書くか、変動係数を添えてください。
- 単位の違うデータは変動係数で比べる。 標準偏差を平均で割った割合で、既定の8個では29.1%です。単位の違う2つのデータもこの割合なら並べられます。生の標準偏差では並べられません。どこからが大きいかという線引きは、その分野の慣習が決めることです。
- Excelと比べる前に除数をそろえる。 同僚のシートが4.89898、このページが5.23723なら、食い違っているのは除数で、どちらかの間違いではありません。カードの下の1行がSTDEV.SかSTDEV.Pかを名指しするのは、その会話を1目で終わらせるためです。
- 平均の話をするときは平均値の標準誤差を使う。 s ÷ √n で、既定のデータでは1.85164です。データを集めるほど小さくなる値で、標準偏差のほうは小さくなりません。平均に付ける誤差の棒は標準誤差、1つ1つの値の散らばりを言うなら標準偏差です。
- 次の計算が2乗の単位を欲しがっているなら分散に切り替える。 分散分析、誤差の伝播、独立した量のばらつきの足し合わせは、どれも2乗した単位のまま進みます。分散計算機は同じ計算で、分散をカードに、標準偏差をその下に置いた形です。
このページで求まらないもの
このページは記述にとどまります。手元の数値が何をしているかを報告するだけで、その数値を生んだ仕組みについては何も主張しません。検定も、信頼区間も、正規性の確認も、分布の当てはめも、グラフもありません。標準偏差からデータの何%という話に移る経験則は釣鐘型の分布を前提にしていて、あなたのデータがそうかどうかを調べる仕掛けはここにはありません。
偏差値も表示しません。表示するのは偏差値の式が必要とする平均と標準偏差のほうで、そこから先の 50 + 10 ×(得点 − 平均)÷ 標準偏差 は手元で計算することになります。最頻値と四分位数もありません。2つの標準偏差と2つの分散のほかにあるのは、平均、データの個数、合計、平方和、中央値、最小値、最大値、範囲、平均値の標準誤差、変動係数です。
入力欄は5,000文字までです。手順の表は最初の30個を並べ、何個のうち何個を出しているかを表の下に書きます。「合計」の行はすべての値を含むので、表が途中でも平方和は完全なままです。
「求まらない」と0は別の答えとして扱います。値が1つのとき、標本標準偏差と標本分散の欄はダッシュになり、「標本標準偏差には少なくとも2つの値が必要です。値が1つのときは、母集団の統計量だけが求まります。」という行が出ます。母集団の値のほうは0です。1つの値にばらつきはなく、割るための n − 1 も存在しないので、これで正しい表示です。平均がちょうど0になるデータでは変動係数がダッシュになり、そのすぐ下に「平均が0のため定義できません。」と理由が出ます。0の平均で割ることに意味がないからです。
標準偏差の計算についてよくある質問
標準偏差は標本と母集団のどちらで計算すればいいですか?
手元の数値がもっと大きな集団の一部なら標本、それがその集団のすべてなら母集団です。だれかがもっと同じものを測れる状況なら、持っているのは標本です。このページは標本で開きます。
Excelのどの関数と同じ結果になりますか?
標本ならSTDEV.S、母集団ならSTDEV.Pで、カードの下の行がいまどちらかを名指しします。Googleスプレッドシートも同じ名前です。日本語版のExcelでも関数名は英語のままで、マイクロソフトの日本語ドキュメントの書式欄も STDEV.S(数値 1,[数値 2],...) と書いています。古いSTDEVとSTDEVPは同じ2つの値を返す互換用の名前です。
Excelの結果とこのページの数字が合いません。なぜですか?
原因はほぼ2つです。1つは除数で、STDEV.Pはnで、STDEV.Sは n − 1 で割ります。既定の8個では4.89898と5.23723の差になります。もう1つは、それぞれが何を無視しているかです。マイクロソフトはSTDEV.Sについて、参照した範囲の中の「空白セル、論理値、文字列、またはエラー値はすべて無視されます」と書いていて、シートの画面にはその事実が出ません。このページは読めなかった入力を結果の下に名前で並べます。
「標本標準偏差」と「不偏標準偏差」は同じものですか?
このページの「標本標準偏差(s)」は n − 1 で割ったほうで、不偏標準偏差と呼ばれるものと同じです。ExcelのSTDEV.Sもこちらを指します。ただし日本語の資料では「標本標準偏差」がnで割ったほう、つまりこのページの母標準偏差を指すこともあります。AVILENの解説記事はnで割る式を標本標準偏差と呼び、n − 1 の式を不偏標準偏差として別の節に置いています。言葉ではなく除数で確認するのが確実で、このページのボタンは「標本(n − 1)」「母集団(n)」と除数そのものを書いています。
偏差値もこのページで出ますか?
偏差値そのものは出ません。出るのは偏差値の式に入れる2つの数字、平均と標準偏差です。受験者全員の得点を貼り付けて「母集団(n)」を選ぶと平均と母標準偏差が確定するので、あとは 50 + 10 ×(自分の得点 − 平均)÷ 標準偏差 に入れます。既定の8個(平均18、母標準偏差4.89898)なら、23点の人の偏差値は約60.2、10点の人は約33.7です。
なぜnではなく n − 1 で割るのですか?
引いている平均が、その標本自身から出てきた平均だからです。標本の値は未知の母平均よりも自分たちの平均に近く集まるので、nで割るとばらつきを小さく見積もります。n − 1 で割るとその偏りが消えます。マイクロソフトもSTDEV.Sについて「標準偏差は、n-1 法を使って計算されます」と書いています。
値が1つのときの標準偏差はいくつですか?
母集団として読むなら0です。1つの値にばらつきはありません。標本として読むと求まりません。除数の n − 1 が0になるからです。このページは前者に0、後者にダッシュを出して、2つを同じ答えとして扱いません。
標準偏差5.23723は大きいのですか、小さいのですか?
平均と並べるまでどちらでもありません。平均18に対しては平均値の29.1%にあたり、これが変動係数として出ている数字です。平均1,800なら同じ5.23723は丸め誤差ほどの大きさです。生の数字で判断するのではなく、自分の別のデータや、その分野で使われている水準と変動係数を比べてください。
小数点にカンマを使ったデータやCSVはそのまま貼れますか?
小数点のボタンで切り替えます。日本語の環境では小数点がピリオドなので既定は「1.5」で、CSVのカンマ区切りはそのまま区切りとして読まれます。海外の資料からコピーしてカンマが小数点になっている数字は「1,5」に切り替えてください。そのモードではカンマが小数点になり、区切りはスペース、改行、タブ、セミコロンが担い、ピリオドは桁区切りとして扱われます。1,5 2,7 3,1 は「1,5」で3個、「1.5」で6個になります。
平均±標準偏差の中に68%が入るというのは本当ですか?
データが正規分布に従うときの経験則で、どんなデータにも当てはまるわけではありません。既定の8個で数えると、18±4.89898(およそ13.10〜22.90)に入るのは3個で、37.5%です。±2倍にすると8個すべて、100%になります。少ない件数や、同じ値が何度も出るデータでは経験則から離れます。
平均値の標準誤差は標準偏差と同じですか?
違います。平均値の標準誤差は標本標準偏差を√nで割った値で、既定の8個では5.23723に対して1.85164です。標準偏差は1つ1つの値の散らばり、標準誤差は平均がどれくらい正確に決まっているかを表します。
何個まで貼り付けられますか?
入力欄は5,000文字までで、表計算ソフトの列なら数百個の数字が入ります。統計量はすべての値を使って計算します。手順の表は最初の30行を並べ、何個のうち何個を出しているかを表の下に書きますが、「合計」の行はデータ全体の平方和です。
平方和は何に使う数字ですか?
2つの分散が共通して割る量で、答案で書かせられるのもこの数字です。192という値を書き添えておけば、だれでもどちらの分散も再現できます。この先の計算にもそのまま持ち越されます。分散分析、回帰、誤差の伝播はどれも標準偏差ではなく平方和と分散を相手に進むので、分散計算機のほうは2乗の単位をカードに置いています。
この計算機は無料で使えますか?
無料で、登録も要りません。スマートフォンでもパソコンでも、ブラウザだけで動き、何組のデータを続けて計算しても構いません。入力すると同時に計算し直すので、標本と母集団のボタンや小数点のボタンを押すたびに、カードも手順の表もその場で書き替わります。
出典・参考文献
- NIST統計参照データセット(StRD)「Univariate Summary Statistics」——平均・標本標準偏差・ラグ1自己相関の認証値つきで公開されている9つのデータセットで、数値計算の難しさの順に並んでいます。この計算機の計算部分は、この認証値と1つずつ突き合わせて検証しています。
- NIST StRDのデータセット NumAcc1 ——8桁の整数3つ(10000001, 10000003, 10000002)で、認証値は標本平均がちょうど10000002、標本標準偏差がちょうど1です。要約統計量の計算で精度が落ちる場面を見つけるために作られたデータで、この計算機は両方の値をそのまま返します。
- NIST StRDのデータセット NumAcc4 ——10000000.2 の周辺に並ぶ1,001個の値で、違うのは末尾の小数1桁だけ、認証済みの標本標準偏差はちょうど0.1です。1回で済ませる公式では分散が負になり、その平方根が数値ではなくなる場面で、この計算機がデータを2回たどる理由がここにあります。
- NIST StRDのデータセット Michelso ——マイケルソンの実験による光速の測定値100個で、認証済みの平均は299.8524、認証済みの標本標準偏差は0.0790105478190518です。作られたデータに対する実測データ側の例で、この計算機が小数第2位ではなく有効数字6桁で表示する理由になっています。
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods 1.3.5.6節「Measures of Scale」——このページが従っている分散と標準偏差の定義で、どちらも除数を n − 1 とする式で書かれています。
- マイクロソフト「STDEV.S 関数」——この計算機の標本側が一致する表計算関数のドキュメントで、STDEV.Sは引数を母集団の標本とみなし「n-1 法」で計算する、母集団全体を指定する場合はSTDEV.Pを使う、と書かれています。日本語版Excelでも関数名は英語のままで、書式欄は STDEV.S(数値 1,[数値 2],...) です。