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トルクの単位変換

ニュートンメートル・キロニュートンメートル・重量キログラムメートル・重量キログラムセンチメートル・ポンドフィート・ポンドインチ・オンスインチを NIST の正確な係数で相互変換します。kgf·m と N·m、lb·ft と N·m の読み替えに対応。

N·m

結果

0.737562 lb·ft

1 N·m = 0.737562 lb·ft

すべての単位

単位
ニュートンメートル (N·m) 1
キロニュートンメートル (kN·m) 0.001
重量キログラムメートル(kgf·m) (kgf·m) 0.101972
重量キログラムセンチメートル(kgf·cm) (kgf·cm) 10.1972
ポンドフィート(lb·ft・トルク。エネルギーのフィートポンドとは別) (lb·ft) 0.737562
ポンドインチ (lb·in) 8.85075
オンスインチ (oz·in) 141.612

トルク単位換算ツール。N·m・kgf·m・kgf·cm・lb·ft・lb·in・oz·in を相互換算。

トルクの単位換算ツールは、入力した締め付けトルクをニュートンメートル(N·m)経由で別の単位に置き換え、手元の工具の目盛に合う数値を出します。SI単位(N·m・kN·m)と重力単位系(kgf·m・kgf·cm・lb·ft・lb·in・oz·in)の7単位に対応し、違う単位どうしの換算はどれも定義どおり正確で、カードの比の行は等号(=)で表示されます。

トルクの単位換算とは?なぜ日本には kgf·m と N·m が両方あるのか

トルクの単位換算とは、ある締め付けトルクを、大きさを変えずに別の単位で書き直すことです。基準になるのはニュートンメートル(N·m)で、変換元の値をいったん N·m に直し、そこから変換先の単位に割り戻します。トルクの単位はどれも「力 × 腕の長さ」という同じ形をしているため、温度換算のような足し引きのオフセットはなく、係数を1回掛けて1回割るだけで終わります。
日本の整備現場と設計現場に kgf·m と N·m が併存しているのは、計量法の切り替えが理由です。荷重測定機器メーカーのイマダは計量法の解説で「力・力のモーメント・圧力・応力については、表1の国際単位系(SI)を基本とした単位以外の取引又は証明に用いることができなくなりました」と書いています。計量計測データバンクの解説は、急速なSI化が困難な単位に「計量法改正時に7年の猶予期間が設けられた(猶予期限は、1999年9月30日」と書いていて、力のモーメントはその猶予対象9単位のひとつに挙げられています。工具メーカーTONEの自動換算ページも、換算フォームの下に「計量法により、取引証明用にはN・mに換算する必要があります」と添えています。この期限を挟んで日本語の技術資料の単位はおおむね kgf·m から N·m に移り、手元の工具とマニュアルの世代がずれた瞬間に換算が必要になります。
輸入車・輸入バイクや海外製の工具では、もうひとつ別の取り違えが起きます。日本語版ウィキペディアの「ポンド・フィート」は、1ポンド・フィートを「ある定点から1フィート隔たった点に、その定点に向かって直角方向に1重量ポンドの力を加えたときのその定点のまわりの力のモーメント」と定義したうえで、この呼び方が仕事・エネルギーの単位「フィート重量ポンド」との混同を避けるために導入されたと説明しています。掛け算の中身は同じ 1.3558179483314003 でも、lb·ft はトルク、ft·lb(フィート・ポンド)は仕事という別の量です。本ツールの単位リストでも、この単位は「ポンドフィート(lb·ft・トルク。エネルギーのフィートポンドとは別)」という名前で並んでいて、選ぶ時点で見分けが付くようにしてあります。
対応するのは7単位です。SI単位系はニュートンメートル(N·m)とキロニュートンメートル(kN·m、1 kN·m は 1,000 N·m ちょうど)。重力単位系は重量キログラムメートル(kgf·m)、重量キログラムセンチメートル(kgf·cm)、ポンドフィート(lb·ft)、ポンドインチ(lb·in)、オンスインチ(oz·in)です。係数の上流にあるのは3つの取り決めだけで、SIのメートルとニュートン、1959年の国際ヤード・ポンド協定(1 lb=0.45359237 kg、1 ft=0.3048 m、1 in=0.0254 m、いずれも正確)、そして1901年の第3回国際度量衡総会が定めた標準重力 9.80665 m/s²(正確)です。だから 1 kgf·m は「約9.8」ではなく 9.80665 N·m ちょうどで、カードの下の比の行も「1 kgf·m = 9.80665 N·m」と等号で出ます。例外は1つだけあり、変換元と変換先に同じ単位を選んだときは、等号が「≈」に変わります。係数が正確でも、同じ単位どうしには換算という手続きがないためで、不具合ではありません。
単位の名前は「重量キログラム」で始まりますが、kgf は力の単位で、質量の kg とは別物です。10 kgf·m は「10 kg のトルク」ではなく、回転中心から 1 m 離れた点に 10 kgf の力が直角にかかっている状態を指します。トルクの値を「何 kg」に直したくなるのはこの名前のせいですが、腕の長さを決めない限りトルクは力に戻せません。

1 N·m を入れたときの「すべての単位」— トルク換算早見表

単位(記号)1 N·m のときの表示N·m への係数
ニュートンメートル(N·m)11(基準単位)
キロニュートンメートル(kN·m)0.0011,000
重量キログラムメートル(kgf·m)0.1019729.80665
重量キログラムセンチメートル(kgf·cm)10.19720.0980665
ポンドフィート(lb·ft)0.7375621.3558179483314003
ポンドインチ(lb·in)8.850750.11298482902761668
オンスインチ(oz·in)141.6120.007061551814226043

画面の見方と「小数点以下の桁数」の選び方

ページを開いた直後は「変換元」がニュートンメートル、「変換先」がポンドフィート、値が 1 になっています。この状態の結果カードには 0.737562 lb·ft と出ていて、その下に 1 N·m = 0.737562 lb·ft という比の行が添えられます。
1. 「変換元」でマニュアルに書いてある単位を選びます。旧いサービスマニュアルなら重量キログラムメートル(kgf·m)、北米向けの整備要領なら lb·ft、小さいねじの指示なら kgf·cm・lb·in・oz·in です。
2. 「値」にマニュアルの数値を入れます。マイナスも受け付けるので、逆回しのトルクをそのまま扱えます。
3. 「変換先」に手元のトルクレンチの目盛の単位を選びます。向きを逆にしたいだけなら「単位を入れ替え」を押せば、変換元と変換先がそのまま入れ替わります。
結果カードの下に「小数点以下の桁数」があります。初期値の「自動」は有効数字およそ6桁で、余分なゼロを付けません。0・2・4・6・10・15 のいずれかを選ぶと、その桁数ちょうどに揃えるので、末尾がゼロでも表示されます。締め付け作業では工具の最小目盛より細かい桁は使いようがないため、実務では「自動」か 2 桁で足ります。15 桁まで上げるのは、9.80665 のような短い定義値を最後の桁まで確かめたいときです。lb·ft 系の係数は小数点以下が16桁以上あるので、15 桁でも末尾までは出ません。
さらに下の「すべての単位」を開くと、いま入力しているトルクが7単位すべてでいくつになるかが一覧で出ます。閉じた状態で表示されるので、必要なときだけ開いてください。単位の並びは「SI単位」と「重力単位系」の2グループに分かれていて、どちらの体系の単位を選んでいるのかがリストの見出しで分かります。
結果カードのコピーボタンで数値をクリップボードに送れます。作業指示書や整備記録にそのまま貼れる形です。手を加えた状態のURLを共有すれば、相手も同じ換算を開いた状態で見られます。

換算式と7単位の係数

Tto=Tfrom×ffromftoT_{\text{to}} = T_{\text{from}} \times \dfrac{f_{\text{from}}}{f_{\text{to}}}
  • TfromT_{\text{from}} = 変換元の単位で入力したトルクの値
  • ffromf_{\text{from}} = 変換元の単位1つ分が何ニュートンメートルかを表す係数。kgf·m なら 9.80665、lb·ft なら 1.3558179483314003
  • ftof_{\text{to}} = 変換先の単位1つ分が何ニュートンメートルかを表す係数
  • TtoT_{\text{to}} = 変換先の単位で表したトルクの値
どのトルク換算も、ニュートンメートルを一度通るだけです。変換元の係数を掛けて N·m にし、変換先の係数で割って戻す。この2段階で、7単位のどの組み合わせにも同じ式が使えます。
7単位の係数(1単位が何 N·m にあたるか)は次のとおりです。
  • ニュートンメートル(N·m):1(この換算の基準単位。1 N·m ≡ 1 kg·m²/s²)
  • キロニュートンメートル(kN·m):1,000(SI接頭語、正確)
  • 重量キログラムメートル(kgf·m):9.80665(=1 kgf × 1 m、CGPM 1901 の標準重力そのまま、正確)
  • 重量キログラムセンチメートル(kgf·cm):0.0980665(=kgf·m ÷ 100、正確)
  • ポンドフィート(lb·ft):1.3558179483314003(=4.4482216152605 N × 0.3048 m、正確)
  • ポンドインチ(lb·in):0.11298482902761668(=lb·ft ÷ 12、正確)
  • オンスインチ(oz·in):0.007061551814226043(=lb·in ÷ 16、正確)
ここから、覚えておくと検算が速くなる関係が3つ出てきます。1 kgf·m = 100 kgf·cm ちょうど、1 lb·ft = 12 lb·in ちょうど、1 lb·in = 16 oz·in ちょうどです。それぞれ「メートルとセンチ」「フィートとインチ」「ポンドとオンス」の関係がそのまま出ているだけで、丸めは一切入っていません。
逆向きの N·m → kgf·m や N·m → lb·ft では、割り切れない小数になります。1 N·m は 0.101972 kgf·m、0.737562 lb·ft です。定義があいまいなのではなく、定義が逆向きに置かれている(1 kgf·m = 9.80665 N·m、1 lb·ft = 1.3558179483314003 N·m)ためで、桁を増やせばその先の数字は続きます。「小数点以下の桁数」を 15 にすると小数点以下15桁まで出ます。1.3558179483314003 のように16桁以上ある係数は、その手前で丸めた形になります。
この式にトルクを生む力や腕の長さが出てこない点も見ておいてください。τ = F × r でトルクそのものを求めるのは別の計算で、このページが受け取るのはトルクの値と単位だけです。

実際の作業で出てくる換算

旧いサービスマニュアルの kgf·m を N·m に直す

計量法の期限より前に書かれた整備要領では、締め付けトルクが kgf·m で指示されていることがあります。変換元を重量キログラムメートル、変換先をニュートンメートルにして 1 と入れると結果は 9.80665 N·m、カードの下の比の行も 1 kgf·m = 9.80665 N·m です。10 と入れれば 98.0665 N·m で、桁が1つ増えるだけで係数は変わりません。
「kgf·m を10倍すれば N·m」と暗算する手はありますが、10 と 9.80665 の差はそのまま誤差になります。1 N·m が 0.101972 kgf·m なので、10倍の暗算は正しい値より約1.97%大きい数字を出します。1 kgf·m あたり約0.19 N·m、5 kgf·m なら約1 N·m のずれです。当たりを付けるのには十分ですが、最終的な設定値は係数で出した数字にしてください。

N·m の指示を kgf·m 目盛のトルクレンチで締める

逆向きも同じ手順です。マニュアルは N·m なのに、手元のトルクレンチが kgf·m 目盛、という状況で使います。変換元をニュートンメートル、変換先を重量キログラムメートルにして 100 と入れると 10.1972 kgf·m。比の行には 1 N·m = 0.101972 kgf·m と出ます。
この「約10分の1」という関係が、kgf·m と N·m の組み合わせを暗算で検算しやすくしています。100 N·m なら約10 kgf·m、50 N·m なら約5 kgf·m と当たりを付けてから、正確な値を画面で確かめる。この順番なら、単位を取り違えたときに桁で気付けます。

輸入車・輸入バイクの lb·ft を N·m に直す

北米向けの整備要領やアフターパーツの取扱説明書で lb·ft を見かけたら、この向きです。変換元をポンドフィート、変換先をニュートンメートルにして 90 と入れると 122.024 N·m、比の行は 1 lb·ft = 1.355818 N·m です。
気を付けたいのは、同じ数値が ft·lb と書かれている場合です。トルクの意味で使われているなら換算の中身は同じですが、ft·lb(フィート・ポンド)は本来は仕事・エネルギーの単位で、量としてはトルクと別物です。本ツールの単位名が「ポンドフィート(lb·ft・トルク。エネルギーのフィートポンドとは別)」となっているのはそのためです。輸入品の資料で ft·lb を見たら、それが締め付けトルクの表なのか、衝撃エネルギーや仕事量の表なのかを先に確かめてください。

N·m の値を lb·ft 目盛の工具に合わせる

ページを開いた直後の状態がこの向きです。変換元がニュートンメートル、変換先がポンドフィート、値が 1 で、結果は 0.737562 lb·ft。
実際の数字で見ると、100 N·m は 73.7562 lb·ft、108 N·m は 79.6567 lb·ft です。旧マニュアルの kgf·m から北米製の工具の目盛へ直接飛ぶこともでき、1 kgf·m を変換先ポンドフィートにすると 7.23301 lb·ft、比の行は 1 kgf·m = 7.233014 lb·ft と出ます。kgf·m → N·m → lb·ft と二段階で計算する必要はありません。

小さいトルク:kgf·cm・lb·in・oz·in の使いどころ

N·m で書くと小数点以下ばかりになる領域には、専用の単位があります。1 N·m は 10.1972 kgf·cm で、比の行には 1 N·m = 10.197162 kgf·cm と出ます。ラジコン解説サイトZakLabのサーボ仕様の解説は、サーボのトルクを「軸を回そうとするチカラ」と説明したうえで、単位 kg・cm については「軸の何cm先で何kgの重さと釣り合うか?を示します」と書いています。ここでの kg は質量ではなく力(kgf)で、日本語のデータシートで f が落ちるのはこの領域でも同じです。
インチ系の小トルクは lb·in と oz·in です。変換元をポンドインチ、変換先をニュートンメートルにして 1 と入れると 0.112985 N·m。オンスインチはさらに細かく、100 oz·in が 0.706155 N·m、比の行は 1 oz·in = 0.007062 N·m です。英語のデータシートで oz·in と書かれたサーボやモータのトルクを日本語側の表記に合わせたいときは、変換元をオンスインチ、変換先を重量キログラムセンチメートルにすれば、そのまま kgf·cm の数字が出ます。

1 N·m を7単位に並べて桁の感覚をつかむ

値を 1、変換元をニュートンメートルにしたまま「すべての単位」を開くと、次の一覧が出ます。
単位記号1 N·m のときの値
ニュートンメートルN·m1
キロニュートンメートルkN·m0.001
重量キログラムメートルkgf·m0.101972
重量キログラムセンチメートルkgf·cm10.1972
ポンドフィートlb·ft0.737562
ポンドインチlb·in8.85075
オンスインチoz·in141.612
同じ1つのトルクが、単位の選び方だけで 0.001 とも 141.612 とも書けます。並びは数字の大小順ではなく、SI単位(N·m・kN·m)が先、重力単位系(kgf·m 以下)が後という体系ごとの順です。単位が小さいほど数字は大きくなり、いちばん小さい oz·in で 141.612、いちばん大きい kN·m で 0.001 になります。桁を1つ読み違えると別のねじの指示になってしまう理由が、この5桁ぶんの幅にあります。

トルク換算でやりがちな取り違え

  • kgf を kg と同じだと思う。 10 kgf·m は「10 kg ぶんのトルク」ではなく、回転中心から 1 m 離れた点に 10 kgf の力が直角にかかっている状態です。kgf は力、kg は質量で、そもそも別の物理量です。腕の長さを決めない限り、トルクの値は「何 kg」には戻せません。
  • kgf·m と kgf·cm を取り違える。 1 kgf·m = 100 kgf·cm ちょうどなので、間違えると100倍か100分の1です。工具の目盛やデータシートでは f を省いて kg·m、kg-m、kg·cm、kgcm と書かれていることも多いので、m なのか cm なのかは必ず確認してください。
  • 「10倍で N·m」の暗算をそのまま締め付け設定に使う。 正しい係数は 9.80665 なので、10倍で出した値は約1.97%大きくなります。1 kgf·m あたり約0.19 N·m の差です。角度法で管理するヘッドボルトやアルミ部品のねじのように数%が効いてくる箇所では、係数で計算した数字を使ってください。
  • lb·ft と ft·lb を同じ単位として片付ける。 掛け算の中身は同じ 1.3558179483314003 ですが、lb·ft はトルク、ft·lb は仕事・エネルギーです。輸入品の資料では両方の書き方が混在するので、その表が締め付けトルクの表かどうかを先に見てください。
  • 単位を入れ替えたいのに値だけ書き直す。 「変換元」と「変換先」を逆にしたいときは、選び直さずに「単位を入れ替え」を押せば済みます。値は残るので、往復させて桁を確かめるのが速いやり方です。
  • 桁数を固定したまま小さい値を読む。 「小数点以下の桁数」を 0 や 2 に固定すると、oz·in や lb·in から N·m に直したときの小さい結果が丸めきられてしまいます。小トルク側を扱うときは「自動」に戻すか、6 桁以上を選んでください。固定桁は末尾のゼロも表示するので、有効数字がどこまであるのか分かりにくくなる点も頭に入れておいてください。

このページで扱わないこと

扱うのはトルクの単位換算だけで、トルクそのものを求める計算は入っていません。τ = F × r を計算する欄はなく、力(N や kgf)を入れるところも、腕の長さを入れるところもありません。「50 kgf の力を 30 cm のスパナに掛けたら何 N·m か」を知りたい場合は、先に手元でトルクを出し、その値をこのページに入れてください。
回転数と組み合わせた出力の計算も範囲外です。トルクから kW や馬力を出すには回転数が要りますが、このページに回転数の入力欄はありません。カタログの「最大トルク 300 N·m / 4,000 rpm」をそのまま出力に直すことはできない、ということです。
ボルトの軸力・摩擦係数・トルク係数も扱いません。同じ 100 N·m で締めても、ねじ面の状態や潤滑の有無で発生する軸力は変わります。トルク値そのものの妥当性は、部品メーカーや車両メーカーの指示に従ってください。工具側の許容差についても、お使いのトルクレンチの校正証明書で確認してください。
対応するのは7単位で、mN·m・cN·m・N·cm・gf·cm といった細かい派生単位は選択肢にありません。ただし、いずれも10のべき乗の関係なので手当てはできます。N·cm は N·m の100分の1、mN·m は1000分の1、gf·cm は kgf·cm の1000分の1です。たとえば 500 gf·cm を扱いたければ 0.5 kgf·cm として入力してください。
トルクは向きを持つ量ですが、このページが換算するのは大きさだけです。値の欄はマイナスを受け付けるので逆回しの指示もそのまま入力できますが、締め付け方向と緩め方向の判断は換算の外側にあります。

締め付けトルクの単位換算 Q&A

1 kgf·m は何 N·m ですか?

正確に 9.80665 N·m です。1901年の第3回国際度量衡総会が標準重力を 9.80665 m/s² ちょうどと定めているので、この係数は測定値ではなく定義値です。10 kgf·m なら 98.0665 N·m になります。

1 N·m は何 kgf·m ですか?

0.101972 kgf·m です。おおよそ10分の1と覚えておくと検算に使えます。100 N·m は 10.1972 kgf·m、センチ単位なら 1 N·m = 10.197162 kgf·cm です。

kgf·m を10倍して N·m にしても大丈夫ですか?

当たりを付けるだけなら十分ですが、締め付けの設定値には使わないでください。正しい係数は 9.80665 なので、10倍で計算した値は約1.97%大きくなります。1 kgf·m あたり約0.19 N·m、5 kgf·m なら約1 N·m のずれです。角度法で管理するヘッドボルトやアルミ部品のねじのように、数%が効いてくる箇所では係数で計算した数字を使ってください。

kgf·m の読み方は?kg·m と書いてあるのも同じ意味ですか?

kgf·m は「キログラムフォースメートル」と読み、日本語では「重量キログラムメートル」と書かれます。工具の目盛やデータシートで f を省いて kg·m、kg-m、kgm と書かれているものも、トルクの文脈では同じ単位を指します。本ツールの選択肢にも「重量キログラムメートル(kgf·m)」という名前で並んでいます。センチ側は kgf·cm(重量キログラムセンチメートル)で、こちらは kg·cm や kgcm と略されます。

lb·ft と ft·lb は同じですか?

掛け算の中身は同じですが、表している量が違います。lb·ft はトルク、ft·lb(フィート・ポンド)は仕事・エネルギーの単位です。日本語版ウィキペディアの「ポンド・フィート」も、この呼び方が仕事の単位「フィート重量ポンド」との混同を避けるために導入されたと説明しています。トルクの意味で ft·lb と書かれている資料も多いので、数値を使う前に、その表が締め付けトルクのものかどうかを確かめてください。

1 lb·ft は何 N·m ですか?

1.355818 N·m です(定義値は 1.3558179483314003 N·m)。90 lb·ft なら 122.024 N·m。1959年の国際ヤード・ポンド協定が 1 lb と 1 ft を正確な値で定めているので、この係数も定義から導かれる正確な値です。

トルクの N·m を kg や g に換算できますか?

できません。N·m はトルク、kg は質量で、別の物理量だからです。「何 kg 相当か」を出すには、力が掛かる腕の長さを決める必要があります。腕が 1 m なら 9.80665 N·m = 1 kgf·m なので「1 kgf ぶら下げた状態」と言えますが、腕が 0.5 m なら同じトルクでも 2 kgf 必要です。このページが行うのは単位の書き換えだけで、力や腕の長さからトルクを求める計算は扱いません。

なぜ古いサービスマニュアルは kgf·m で、今は N·m なのですか?

計量法の切り替えが理由です。荷重測定機器メーカーのイマダの解説によれば、力・力のモーメント・圧力・応力については、SIを基本とした単位以外は取引又は証明に用いることができなくなりました。計量計測データバンクの解説によれば、力のモーメントを含む9つの重力単位系の単位には7年の猶予期間が設けられ、猶予期限は1999年9月30日でした。工具メーカーTONEの換算ページにも「計量法により、取引証明用にはN・mに換算する必要があります」と添えられています。1999年を挟んで資料の単位が変わったため、工具とマニュアルの世代がずれると換算が必要になります。

kgf·m と kgf·cm を間違えるとどうなりますか?

100倍か100分の1になります。1 kgf·m = 100 kgf·cm ちょうどだからです。同じトルクでも、1 N·m は 0.101972 kgf·m ですが kgf·cm では 10.1972 になります。工具の目盛が m と cm のどちらか分からないときは、変換先を両方試して、出た数字が目盛のレンジに収まるほうを選んでください。100倍離れているので、取り違えていれば一目で分かります。

oz·in や lb·in は何に使う単位ですか?

N·m で書くと小数点以下ばかりになる小さいトルクに使います。lb·in(ポンドインチ)は 1 lb·ft の12分の1で、1 lb·in = 0.112985 N·m。精密ドライバ型のトルクドライバや細いボルトの指示で見かけます。oz·in(オンスインチ)はさらに16分の1で、100 oz·in = 0.706155 N·m、比では 1 oz·in = 0.007062 N·m です。英語のデータシートに oz·in、日本語の資料に kgf·cm と、同じ部品でも表記が分かれることがあるので、その場合は変換元をオンスインチ、変換先を重量キログラムセンチメートルにして突き合わせてください。

この換算器で N·m から出力(kW や馬力)は求められますか?

求められません。トルクから出力を出すには回転数が必要ですが、このページには回転数の入力欄がありません。扱うのはトルクの単位を書き換えることだけです。

換算結果は小数点以下何桁まで表示できますか?

結果カードの下にある「小数点以下の桁数」で選べます。初期値の「自動」は有効数字およそ6桁で、余分なゼロは付けません。0・2・4・6・10・15 のいずれかを選ぶと、その桁数ちょうどに揃えて表示されます。15 を選ぶと小数点以下15桁まで表示されます(1.3558179483314003 のように16桁以上ある係数は末尾まで出ません)。締め付け作業では工具の最小目盛より細かい桁は使えないので、実務では「自動」か 2 桁で足ります。

トルク換算ツールを使うのに登録は必要ですか?自分のサイトに埋め込めますか?

登録もインストールも不要で、計算はすべてブラウザの中で完結します。ページ下部の埋め込みボタンから、整備工場やバイクショップ、模型・ラジコン、機械設計の解説ページなどに貼り付けられる iframe 版を取り出せます。7単位すべてと「小数点以下の桁数」の切り替えは、埋め込み版でも同じように使えます。

出典・参考文献

  1. NIST SP 811 付録 B.8 — 単位をアルファベット順に並べた換算係数表(重量キログラムメートルは 9.80665 N·m を正確な値として太字で掲載。ポンド力フィート 1.355818、ポンド力インチ 0.1129848、オンス力インチ 7.061552e-3 N·m は、正確な上流の積を NIST が丸めて印刷したもの)
  2. NIST の SI 手引き 付録 B — 換算係数(入口ページ。重量キログラムメートルなど CGPM 1901 に紐づく単位で使われている「太字は正確な値」という表記規則を説明)
  3. BIPM — 第3回国際度量衡総会(CGPM 1901)決議:標準重力 g_n = 9.80665 m/s² を正確な値と宣言。重力単位系のトルク単位(kgf·m、kgf·cm、lb·ft、lb·in、oz·in)がすべて正確なニュートンメートル係数に還元できるのは、この上流の定数があるため
  4. BIPM — 国際単位系(SI 文書 第9版 2019):ニュートンメートル(1 N·m ≡ 1 kg·m²/s²)はトルクの SI 組立単位。ジュールと次元は同じだが、トルクはベクトル、エネルギーはスカラーであるため区別して用いる
  5. Wikipedia — ニュートンメートル:トルクの SI 組立単位。次元はジュールと等しいが、回転にかかわる量をエネルギーと切り分けるためトルク専用に使われる(Wikidata Q215571)
  6. Wikipedia — ポンドフィート(トルク):1 lbf × 1 ft = 1.3558179483314003 N·m と正確に定義。トルクの lb·ft(SAE が推奨する書き方)とエネルギーの ft·lb という呼び分けを解説(Wikidata Q16859309)
  7. Wikipedia — フィートポンド(エネルギー):仕事の単位としてのフィートポンド、1.355818 J。計算は同じでもトルクの単位ポンドフィートとは別物で、スカラー(エネルギー、F · d)とベクトル(トルク、r × F)を切り分ける
  8. Wikipedia — トルク(力のモーメント):τ = r × F(外積、ベクトル)、ISQ 次元 M·L²·T⁻²、推奨される SI 単位はニュートンメートル。SI 系とヤード・ポンド系それぞれの記号の慣習も扱う(Wikidata Q48103)
  9. Wikipedia — 重量キログラム(kgf):kgf·m(9.80665 N·m 正確)と kgf·cm(0.0980665 N·m 正確)のもとになる力の単位。BIPM は使用を推奨していないが、日本や台湾のトルクレンチ、アジア製のサーボ・モータのデータシートでは今も標準的に使われる(Wikidata Q216880)
  10. Wikipedia — 国際ヤード・ポンド協定(1959年7月1日):常衡ポンドを正確に 0.45359237 kg、国際フィートを正確に 0.3048 m、国際インチを正確に 0.0254 m と定義。ポンドフィート・ポンドインチ・オンスインチの係数の上流にある定数

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